探求のある社会科の授業を目指して

関西の公立小学校で働いています。社会科の授業を楽しくするための授業ことを書いています。

スーパーマーケット⑥

教科書の問い

「お客さんは、どんなことに気をつけて買い物をし、店はどのように工夫しているのだろう」

          ↓

深堀りした問い

「どんな買い方をすると、いい買い物ができるのか。」

 

 スーパーマーケットで買い物をする機会が多いのは「お母さん」であることを前回考察しました。しかし、子どもたちにとってスーパーマーケットは関係のない場所というわけではありません。お母さんと一緒に買い物に行くこともあるし、家族で大きなスーパーマーケットに行くこともあります。場合によっては家の人に頼まれて、一人で買い物に行くこともあります。

 

 それでは、どんな買い物をすれば、いい買い物をしたと言えるのでしょうか。子どもたちも大人も

 

    「安くていいもの」

 

と考えています。「安いもの」は、

 

  ・他のスーパーに比べて安い

  ・その日だけ安い(広告の品など)

  ・値段の割に分量が多い。

 

などが考えられます。「いいもの」とは何かの疑問です。考えられるのは

 

 ・味がいい。

 ・食感がいい。

 ・産地がいい。

    ↓

 ・おいしい

 

になるでしょうか。肉や野菜、魚の新鮮なものの見分け方は、インターネットで調べれば知識やコツがいくらでも見つかります。また、有名な産地も、例えばみかんなら「愛媛・愛知・静岡」、りんご「青森・長野」などこれも少し検索すればすぐにわかります。お菓子などは、友だちや知り合いから「あのお菓子美味しかったよ」などと口コミから買う場合も多いと思います。つまり、「いいもの」も少し探せばたくさん見つかります。

しかし、ここで新たな疑問が生じます。確かに安くでいいものを買うのはとてもいいことです。わざわざ高くで良くないものを買う必要はありません。それでは、安いからといって大量に買うことは「いい買い物」と言っていいのでしょうか。計画的に家庭で消費仕切れば問題ありません。しかし、使いきれず、腐るなどして結局捨ててしまうのならば「いい買い物」とは言えません。

 さらに、買い物をするときに有りがちなのが、賞味(消費)期限が長いものを買おうとして、牛乳などを手前から取って買うのではなく、奥から買うことはないでしょうか。賞味(消費)期限が長いものを買えれば、「いい買い物」をしたことになるのでしょうか。一個人の家庭ではいい買い物かもしれません。しかし、買い物をする大勢の人がそれをしてしまうと期限が過ぎたものはスーパーマーケットは廃棄してしまいます。すると、個人ではいい買い物をしたと考えても、スーパーマーケット側から考えると損をしてしまいます。

 大量に買いすぎ問題、期限長い問題。どちらも共通することは「食品ロス」問題です。次回は、食品ロスについて考えてみます。