スーパーマーケット①
3年生で学習するスーパーマーケットの単元を考えていきます。教育出版の教科書は、一時間毎に学習する問いが書いてあります。それをもう少し深堀りした問いに変えてみたいと思います。
○教科書の問い
「家の人たちはどのような店で買い物をしているのだろう。」
「家の人たちは、どこで買い物をすることが多いのだろう」
↓
◎深堀りした問い。
「なぜ、スーパーで買い物をすることが多いのか」
教科書では、家の人にインタビューをして日々の買い物をどこでしているかをグラフに表すようになっています。そこで出てくる結論が、スーパーマーケットで買い物をする機会がとても多いことになります。実際、食事を作る保護者はスーパーマーケットで買い物をすることが多いと思われます。そこで、「なぜ、スーパーマーケットで買い物をすることが多いのか」と深堀りしてみます。そもそもスーパーマーケットはいつから日本にあるのでしょうか。「スーパーマーケット」しての名称が初めて使われたのは、1952年に京阪京橋駅内にできた「京阪スーパーマーケット」が最初とされています。
それでは、現在のスーパー・マーケットの数はいくつあるのでしょうか。2020年11月末現在ですが、全国で、22,397店あります。
スーパーマーケットが買い物の主流になる前はいくつかの商店を渡り歩いて買い物をしていました。商店街の現在の状況を見てみると、
出典 平成30年度 商店街実態調査報告書 概要版 中小企業庁
空き店舗の割合が、平成15年から比べると高いことがわかります。商店街で働く人たちが、今後どう感じているかと言うと、
出典 平成30年度 商店街実態調査報告書 概要版 中小企業庁
近年、上位に来ているのは、後継者問題と、店舗の老朽化、集客力などになります。それでは、コンビニの数は日本にいくつあるのでしょうか。
出典 ガベージニュース
35年間の間におよそ9.2倍の数になっていることがわかります。スーパーマーケットの数は22397店なので2.6倍以上もコンビニがあることがわかります。会社別に見てみると、
出典 ガベージニュース
セブンイレブンが最も多く、ファミリーマート、ローソンの3社が大きな割合を占めていることがわかります。コンビニは、北海道のセイコーマートなど地方に根付いた店も多いので、
「校区や地域の中にどんなコンビニがいくつあるか」
を調べても面白いと思います。
次に、最近の主流になりつつあるインターネットの買い物はどれぐらいの規模になっているのでしょうか。
インターネットの買い物は、1995年から広まってきました。Windows95が出た年ですね。この年に、アメリカでYahoo!が設立され、7月にAmazon.comがサービスを開始しています。日本法人ができたのは翌年の96年です。楽天はその翌年の97年に設立されています。1990年代後半からインターネットの買い物が普及してきます。現在は、どのぐらいの金額になっているのでしょうか。総務省の統計に様々な資料がありますので参照してみます。
ネットショッピングをどれぐらいの世帯が利用しているかを見てみると、
2019年は、全世帯の42.8%が利用していることがわかります。最近の10年間をみても、2・3倍以上の伸びになっています。このグラフは二人以上の世帯のデータなので、単身の方を入れるともっと高い数字になっていると考えられます。また、どのような商品を買っているかを見ていくと、
旅行、食料品、衣料品、本、ゲーム、家電にお金が使われていることがわかります。「Uber Eats」や「出前館」など、インターネットを利用した出前が流行していますし、「メルカリ」や「ジモティ」などで、会社を仲介しての個人売買も盛んなので、インターネットショッピングの割合は今後も増えていくと思います。子どもたちには家族へのアンケートで、
「どんな商品をインターネットを使って買うことがあるか」
を聞いてくるのもいいと思います。
最初に提示した「なぜ、スーパーで買い物をすることが多いのか」の深堀りの問いに対する授業展開は、
・(食料品だけでなく日用品も売っている)スーパーマーケットの増加。
・個人商店の減少・衰退の傾向
・コンビニの増加
・ネットショッピングの増加
の4点を考え、実際に調べてみることで深まりのある授業になるのではないでしょうか。