探求のある社会科の授業を目指して

関西の公立小学校で働いています。社会科の授業を楽しくするための授業ことを書いています。

社会科の人気⑦

 それでは、社会科のきらいなところはどうでしょうか。これは好きなところと比べてだいぶ項目が多かったです。その中でも人数が多かかった項目をあげていきます。最初はこれです。

 

 

「教科書の容量が多い・重い」

 

 小学校は今年度から新学習指導要領の元、新しい教科書を使っています。わたしの市は昨年度に引き続き教育出版の教科書を使っています。教科書で大きく変わった点は、

 

 「各学年、教科書が一冊になった」

 

ことです。昨年度までは、3・4年生という括りで教科書は上下になっていました。同様に5年生、6年生でも上下の分冊になっていました。しかし、新しい教科書では、各学年毎に1冊ずつになっています。結果、教科書のページ数が増え重くなっています。

 利点は子どもたちが1年間を見通した学習ができることが考えられます。しかし、その利点よりも重さの方を負担に感じているようです。社会科は、教科書とノート以外に、3・4年生では地図帳と自分の住んでいる地域に対応した副読本(地域の教科書的なもの)を持たされます。5・6年生はそれに加えて資料集も持たされることが多いのではないでしょうか。中学校や高校でも教科書以外の本を学校で持たされています。

 

 話は少しずれますが、どの新過程に切り替わり新教科書になったことで社会科に限らず、どの教科の教科書も大きく重くなっています。データは旧教科書でのアンケートですが、ランドセル白書2020によると、やはり教科書等の重さが負担になっていることがわかります。文部科学省も、いわゆる置き勉を通達していますが、教室内でのスペースの確保や盗難対策など簡単に解決する問題ではありません。さらに近い将来に一人一台のタブレット配布されます。タブレット付きカバーをつけた場合、このタブレットも相当な重さになります。全部を持ってきたり持って帰ったりするのは不可能と思います。

 

 話を戻します。社会科という教科の性質上、地域に根ざした本、また、教科書以外の資料・データが必要であることはわかります。子どもに持たす以上は、教師がそれらを授業で有効に使えているかどうかを問い直さなければいけないと思います。高学年の先生が資料集を買うのは「毎年買っているから」という理由もあります。資料ですので有効に使えば教科書との相乗効果で子どもたちの理解を促すことは確かです。でも、教師が教科書と資料集が上手に使えず中途半端になる状況は避けたいです。