探求のある社会科の授業を目指して

関西の公立小学校で働いています。社会科の授業を楽しくするための授業ことを書いています。

社会科の人気④

 それでは、なぜ見学が人気なのでしょう。やはり「百聞は一見にしかず」なのでしょう。どれだけ、浄水の仕組みを教室で学習しても、見学にはかないません。どれだけ自動車のライン作業を教科書で見ても見学には及びません。平和学習・原爆の恐ろしさの勉強をしても原爆ドーム・平和資料館のインパクトには負けます。

 また、「社会科での実習」も人気がありました。いわゆる「出前授業」・「体験授業」です。

 3年生であれば、昔の道具やくらしの分野で石うす・かまど千歯扱きなどを見たり動かしたりできる機会もあります。

 4年生ではごみ収集の方に来て頂き、収集車の説明やごみを車に入れたりする機会があります。リサイクルに関する授業も多いです。

 5年生では田植えや稲刈りができる地域や学校もあります。バケツ稲を総合と兼ねて行う学校も多いでしょうか。

 6年生は、税金のお話を聞く授業があると思います。

 

 こう見ていくと、社会科の授業は

 事前学習→見学・体験→まとめ

 

 の形式をできるだけどの単元でも入れていくことがいいですね。

社会科の人気③

 子どもたちは、普段の社会科の授業をどのように感じているのでしょうか。小学校5年生の子どもたちに「社会科の好きなところ」「きらいなところ」について自由記述してもらいました。11月にアンケートをしたので、子どもたちは3年生、4年生と5年生の自動車の単元まで終わっています。ですから、5年生の後半で出てくるメディア・情報の単元や6年生で学習する政治・経済分野と歴史分野はまだ勉強していません。

 

 好きなところから見てみます。ダントツで多かったのはこれでした。

 

      「社会科見学・工場見学」

 

 1・2年生の生活科では町探検で校区巡りやお店の人へのインタビューがあります。それを受けての3年生の社会科では、スーパーマーケット見学に行くことが多いと思います。また、どこかの製造工場に見学に行くこともあるのではないでしょうか。

 4年生ではごみの行方を学習しますのでみ焼却場やリサイクル工場へ見学に行くことが多いと思います。また、水を学習しますので、浄水場下水処理場へ行く機会もあります。

 5年生では、自動車を学習しますので、自動車工場へ行くことが多いです。そして、メディアを学習しますのでテレビ局や新聞社へ行くこともあります。

 6年生では、修学旅行と兼ねて平和学習の一環で広島の原爆ドーム原爆資料館へ行く学校も多いです。古墳など近くに歴史に関係した施設があればそこに見学へ行くこともあります。政治・司法分野も学習しますので、裁判所へ見学する機会もあります。

 

 

社会科の人気②

中学校では社会科の人気はどうなっているのでしょうか。

 

まずは、好きな割合から

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出典 中学生白書WEB版 2017年度(学研教育総合研究所)

 

12.0%で4位です。小学生よりは上位に来ていますが、2位の英語から5位の理科までの割合にほどんど差がありません。

 

嫌いな割合を見てみると

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出典 中学生白書WEB版 2017年度(学研教育総合研究所)

 

11.2%でこちらも4位です。小学生のときも同じでしたが、特に女子の割合が高いことが気になります。

 

 数学のように好きな割合も嫌いな割合も高いとそれだけ関心があることが考えられますが、社会科は11~12%前後の関心しかないのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

社会科の人気①

「社会科」と聞いてみなさん何を思い出しますか。歴史?地理?政治・経済?他の教科と比べて楽しかったですか。

 正直あまり楽しくなかったという意見の方が多いのではないでしょうか。子どもたちは具体的にどう思っているのかデータで見てみます。

好きな割合からみてみましょう。

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出典 小学生白書WEB版 2019年渡(学研教育総合研究所)

 

7位ですね。全体では3・8%ですが、男子が6.2%に対して女子はわずか1.3%しか好きな人がいません。

 それでは、嫌いな割合をみてみると

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出典 小学生白書WEB版 2019年度版(学研教育総合研究所)

4位ですね…。全体では4.1%になっています。国語、算数は好き・嫌いのどちらもかなりの割合がありますが、社会科は割合自体が少ない上に、好きな教科よりも嫌いな教科のランキングの方が上に来てしまっています。

 なぜ、こんなことになっているのでしょうか。